fishfreshの日記

能力が低くても楽しく暮らそう~田舎に住む20代無職の日記~

農業研修4 管理機編

農業研修の第四弾。管理機の講習に行ってきた。前回の記事で書いたロータリー研修の二週間後の開催でした。

今回も午前中に講義と実際に機械を見ての説明。午後は実際に圃場に移動して実地研修という形でした。今回の参加者は私を含めて二人でした。

 

◎午前中 

午前中の講義と機械を見ての説明で学んだことを簡潔にまとめておきたいと思います。

 

★管理機について

1.管理機とは

字の通り畑や田んぼを管理する作業をする機械です。では管理作業とは何でしょう。

管理作業とは作物にとって生育しやすい環境を作り出すことにより、"高品質"・"多収量"を確保し、収益の上がる農業につなげるための作業のことです。作物が育つには土が次の3つのことを満たしていることが重要です。

①適度な水分(保水性)

②適度な酸素(通気性)

③適度な温度

 

これらの条件を満たすために行う管理作業はもちろん管理機以外の人力やトラクターなど別の機械を用いて行うこともできますが、管理機はメリットが大きいので管理機を使うシーンは多いです。

管理機のメリットは小回りが利いて、旋回場所をとらずに機械で管理作業ができることです。またアタッチメントを付け替えることで様々な作業が出来るのも魅力です。

例えば旋回場所をとらないのでハウス内で使用することが出来、能率/生産性が向上します。

 

2.主な管理作業

a.中耕

・表土をやわらかくし、通気性や透水性を良好にします。

・空隙を大きくすることで、土中の水分の蒸散を防ぎ、降雨の際に地表水を停滞させ

 ません。

・雑草の発生を抑制し、雑草の種子を埋没させます。

・施用した肥料を土壌と混和し、流出を防止します。

 

b.うね立て

・日照面積が広くなり、地温をあげます。

・排水が良いため過湿が防止でき、乾土効果もあります。

・空気に接する面積が増大し、通気性が向上します。

 

c.揚土(土寄せ)・溝上げ

・うねの高さを増し、高うねにします。

・株元を覆土するため、除草効果があります。

・作物を固定し、根菜類では地下部の露出による着色を防止できます。

 (ねぎ、アスパラ等では軟白化を図ります)

・排水効果をあげます。

 

d.マルチ

・地温を上昇させ、作物の初期育成を促進させます。

・風雨による表土の飛散や流出、肥料の流出の防止ができます。

・病気や虫の害を防止します。

・雑草防止効果があります。

・土壌水分の発散と雨などによる過湿を防止します。

・土や砂による作物の汚れを防止します。

 

3.作業機について

作業機は以下の四つの作業によって分類されます。

 

①ロータリー作業

中耕・除草・うね立て・マルチ・掘り取りなど

車輪があり、その後ろにロータリーがありロータリーにツメ・ハネ・ロータなどを取り付けます。

それぞれの作業に合わせて【車軸部+ロータリー耕うん軸+ロータリー尾輪取付部】のパーツをそれぞれ選択します。

※車軸部を選択すると書いてあるのは車輪にも種類があるからです。通常のタイヤの他にゴムラグ車輪など

 

②車軸作業

車軸部に車輪の代わりにツメ・ロータなど別の機器が取り付けられています。(その後ろにユニバーサルヒッチ・抵抗棒・レーキ・培土器などを取り付けます)

耕うん・砕土・整地・代かき・うね立て・うね崩しなど

行いたい作業に合わせて【車軸部+リヤヒッチ部】のパーツをそれぞれ選択します。

 

③けん引作業

車輪の後ろにユニバーサルヒッチをかませ、その後ろに培土器・スキ・マルチャーなどを取り付けます。

マルチ・スキ耕・培土・掘り取り・播種など

行いたい作業に合わせて【車軸部+リヤヒッチ部】のパーツをそれぞれ選択します。

※車軸部を選択すると書いてあるのは車輪にも種類があるからです。通常のタイヤの他にけん引作業の場合は除草作業における鉄車輪など

 

PTO作業

掘り取り・草刈り・施肥など

管理機に施肥機・掘り取り機・パタパタ・整形器などを取り付けます。

PTO:パワーテイクオフ(Power Take-Off) 車両駆動用のエンジン動力を作業機の駆動のために取り出す機構のこと(wikipedia:パワーテイクオフより抜粋)

行いたい作業に合わせてリヤヒッチ部を選択します

 

パーツの説明は行いたい作業にあわせてかなり数があるので割愛します。

 

★作業のポイントなど

1.爪の組付け時のポイント

・爪を取り付けるときは向きに注意する。回転方向に対して爪の先端が突き刺さる形に取り付けてはいけない。爪に負荷がかかったり、管理機が進行できずキックバックのような形になったりして大変危険だからだと思われる。

・爪は左右対称になるように取り付ける。

・爪軸を固定するRピンは爪の回転方向にピンの頭が来るように取り付ける。

・ロータリーには正転と逆転がる。(正転はタイヤと同じ回転方向)

(爪:耕うん力が強く硬い土質に適している ハネ:爪より耕うん力が弱いが接地面積が大きいので軽い土壌での土寄せなどに適している)

爪にはひねりがついており、ひねりが多いと土をたくさん移動させることが可能。

耕うんケースのフランジなどを避けて残耕を少なくするために普通のツメ(直爪)以外に複数枚の偏心爪と呼ばれるものがロータリーの中に必ず入っている。

 

2.ロータリー作業におけるポイント

〇耕す深さは尾輪または抵抗棒で行う

尾輪(抵抗棒)を上げる→ロータリーが下がるので耕す深さは深くなる

尾輪(抵抗棒)を下げる→ロータリーが上がるので耕す深さは浅くなる

 

〇作業はじめはハンドルを押し下げ気味にする

できるだけ早く希望の耕深にするため。ただしトラクターなどで一度耕すなどして柔らかい土でない場合、ほれなかった時に掘る力が前に進む力に置き換わり"ダッシング"と呼ばれる現象が起こるので注意が必要。

 

〇旋回しやすくするためにハンドル高さは気持ち下げておく

ハンドルが高いと旋回するときにロータリーを接地しない高さまで上げた時に無理な姿勢になります。(持ち上げないとねじれの力が発生しロータリーが破損します) またサイドクラッチがついている機械はサイドクラッチを切るとスムーズに旋回できます。

 

3.培土

〇培土器には二種類あります

・培土器:かまぼこうねを作る場合に使用

・溝浚器(みぞさらいき):台形うね(ひらうね)を作る場合に使用

 

4.土寄せ・溝上げ

〇土寄せは無理に一回でやろうとせず三工程くらいに分けて行うこともできます

〇作物が24h~48h水に浸かっていると根腐れするため、溝上げで排水します

 

5.内盛りうね立て・同時マルチ

〇バック作業で行います

〇調整に時間がかかるので家庭菜園レベルだと人力でやった方が早い可能性あり

〇整形器を用いることでひらうねにすることも可能

 

6.車軸作業

〇車輪が無いので移動が大変(軽トラなどで運ぶ必要があります)

〇除草作業をするときはスパイラルロータを取り付ける

 

★実際に機械を見て学んだこと

f:id:fishfresh:20191231182019j:plain

様々なタイプの管理機

f:id:fishfresh:20191231182108j:plain

耕うん軸が前についたタイプ(マメトラ社製)

管理機といっても色々タイプがあり、1枚目の写真の一番手前にあるような2~3馬力の小さなものは10万円しないものもある。ただしこういうのは家庭菜園程度である程度大きな面積をやるには厳しい。変速の仕方も色々なタイプがある。基本的には作業は低速で移動は高速でという形。

メンテナンスに関してはまず洗浄するときはプラグ付近に水をかけないように注意し、それ以外を洗う。それから長期保存(冬)する場合は他の刈払機などと同じようにガソリンを抜いておく。タンク内はホースで抜いて、キャブレター内はコックをオフにしドレンボルト(ピン)を緩めて抜く。

基本的に定期的に交換する必要があるのはミッションオイルとエンジンオイル。ミッションオイルは漏れ出して来たら焼き付く前に交換。エンジンオイルはエンジン内部のとキャブレター付近のエアクリーナー部分(吸気した時にごみを吸着させる役割)の二つ。

ちなみに普通使われる七馬力クラスの管理機を止めようとしたら三人でも足りないくらいらしい。比較的小型の機械だからと舐めない方がいいね。死亡事故も普通にあるとのことでした。

 

◎午後

午後は圃場に移動して実地研修でした。いろいろなタイプを使わせてもらったけど耕うん軸が前についていた方が安全で旋回もしやすいと思いました。それを同じ受講生の方に言ったら「確かに安全度は高いけど、価格も高いよね」とのことでした。お財布と相談な感じですね。やはり慣れなてないとまっすぐ進まないなとも思いました。これはバイクとかの教習でも言われますけど、大切なのは目線ですね。近くを見てるとだめです。進行方向のある程度遠くの所に見当をつけて進むとなんとか大きく曲がらずに済みました。

耕うんの他に土寄せ・溝上げもやりましたがこちらは難しかったです。土に食い込むバランスが崩れて管理機が斜めになってしまいました。ちょっと力を入れて平行に戻そうとしたのですが戻らず、斜めのまま走行しました。その後斜めになってしまったら力を入れていいから戻してくださいと先生から指導がありました。

また先ほど書いた小型のタイプもすこしコツがいりました。普通に進もうとしても爪が刺さって止まってしまうのです。なのでハンドルを軽く上下させながら進む感じでした。慣れが必要だと思いました。でも家庭菜園するんだったらこいつがいいなあとも思いました。軽くて安いのは強いですね、人力で耕したり草刈りするんだったらこいつを導入した方がいいと感じました。

もう一人の方は用事があったようで途中で帰られましたが、全部で20mくらいのところを15往復程度やらせてもらいました。先生に「どうする?もっとやるかい?」と言われましたが、消極的な人間(笑)なのでもう大丈夫ですと言いました。その後実地の研修は終了して最後に芋の掘取機やマルチ張りの機械をみせてもらい、研修は終わりました。

 

色々と勉強になりましたが、私はポンコツなのでなかなかこれは覚えられないなと思いました。実際に機械をこれから(もう来シーズンになってしまいますが)使っていって分からなかったら頂いた資料をみて復習してという形で体に覚えさせるのが私には合っているので、そういう感じでやっていきたいです。

 

ていうか家にある管理機私が一昨年家に帰ってきてから使ってるところみたことないんだけれど使えるのかな...

 

おわり